ヒバナ持ち込み

連載ネーム持ち込み3箇所目。
今度はヒバナ編集部。

誠に失礼なことに、ヒバナは読んだ事無い。
ただ、小学館のアフタヌーンと呼ばれたIKKIの後継誌と言うことだけは知っている。

IKKIには全おっさんが泣いた「俺はまだ本気出してないだけ」等、青年誌テイストの作家性の高い漫画が載って居た。
その後継誌であるヒバナならばワンチャンあるだろうと感じたのだ。
あと前回にも描いたが、その雑誌が今どういう漫画を求めているかは結局持ち込んで見ないと分からない。
編集方針は人事異動や世の中の流れ、雑誌や単行本の売れ行き、編集長のノリ等、版元内外の有形無形の力によってコロコロ変わるからだ。

なので私は漫画を持ち込むとき、持ち込む編集部の雑誌は殆ど読まない(単行本では買っている場合が多い)。
決してめんどくさいと言う訳ではない。固定観念から逸脱するという合理的な行動原理である。
決してめんどくさいと言う訳ではない。大事なことなので2回言いました。

というわけで小学館へ。
今回はスペリオールでのいつもの打ち合わせやオリジナルへの持ち込みの時と違い、2Fの接客ルームに通される。
そこで待っていると、しばらくして編集さんが来る。
ヒバナの最新号を持って。

編集さんに連載ネームを渡し、読んでいただいている間、私はヒバナを読む。
初ヒバナである。
さて果たしてどんなおっさんくさい漫画が載っているか…。

……
………
こ、これは…!

小学生時代、姉が「りぼん」と間違えて買ってきた「花とゆめ」を6歳くらいお姉さんにしたような!

掲載されている漫画には、おっさん臭いおっさんなど一人も居ない。
居ても年齢不詳のイケメンばかりである。
やばい、これはやばい。背筋に冷たいものが走る。

そして編集さんがネームを読み終わる。
編「………」
hide「………」
編「まずですね……」
hide「は、はい」
編「ヒバナがどういう雑誌かご存知ですか?
hide「え、ええと、IKKIの後継誌と把握していますが、それを知る意味も兼ねて持ち込みを…「俺まだ」とか好きだったのでアハアハ」
編「…IKKIには「俺まだ」のような男性向け作品もありましたが、女性向け作品も多かったのです。その女性向け作品に特化してリニューアルしたのがヒバナです」
hide「つまりヒバナで描かれている作家さんの3割4割は女性だと…」
編「9割です
hide「ううっ…」
編「で、持ち込まれたネームですが、これは明らかに青年誌向けですね……」

重苦しい雰囲気が漂う。
脂汗が滝の様に出る。
これは、この気まずさは、まるで…。
「ちゃお」に「ゴルゴ13」を持ち込んだかのような…

hide「…やってしまいましたかね…?」
編「やってしまいましたなぁ

ネームの良し悪し以前にそもそも雑誌の方向性と違いすぎたので、私の持ち込みはここで終わった。
が、終わらなかった。

編「…というのがヒバナ編集者としての答えですが、ここからはイチ編集者としてのこの漫画の評価です」
hide「なんと!宜しくお願いします」

歴史ものとはいえト書きが多すぎる。これだけでうわっとする。
キャラの印象がイマイチ薄い。キャラのどこを、何を楽しんで欲しいか、好きになって欲しいかをしっかり描くべき。
この時代あるある的な感じで1P漫画を連ねるか、もっと人間ドラマにシフトするか。
等々。

hide「今回のネームはキャラが弱いとよく言われます」
編「本作の場合、弱いと言うよりも、構成、見せ方の問題だと思います。ト書きでキャラの行動を説明しているので、それをなくした方がいいでしょう」
hide「構成ですか」
編「漫画は理屈でなく感情で理解するものなので、理屈っぽい面白さが出せなければ素直に感情でキャラを表現したほうが良いでしょう」
hide「なるほど…」

といった感じで、この漫画をより良くするための方法を一緒に考えていただく。
完全に場違いなのに、良くぞここまでご対応いただいたものである。
ありがたいことである。

なお名刺は…もらえるわけが無い。

ちなみにこの玉砕持ち込みをスペリオールの担当さんは遠巻きに見ていたそうである。
ぐぬぬ…

次回はアクション!

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