ひさびさびさびさのモーニング

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現在スペリオールに連載企画を提出しており、その結果待ちなのだが、その結果をぼーっと待ってれば良いほどこの世界は甘くない。
漫画家はヒットを出せなければ、コンスタントに作品を発表し続けるしか生きる道は無いのだ。
そして漫画は掲載されて初めて報酬が得られるわけで、いくらネームで頭捻ろうが根詰めて作画しようが、載らなければそれは遊んでいたと同義なのだ。

と言うわけでスペの結果を待つ間に掲載の場を広げる為、久々にモーニングにネームを持ち込む。
ネーム内容は単発読切ではなく、連載を意識しとりあえず3話分を描いた連載企画。
あと作画資料として作画したもの8ページと、「東京昆虫ムスメ」の単行本。

実に2年ぶりくらいの持込である。
いつ持ち込みしてもこの、担当さんがネームを読んでいる間の独特の時間は慣れない。
差し出されたお茶は喉が通らないし、刷り上りホヤホヤで手を墨だらけにしながら読んでいるモーニング最新号もさっぱり頭に入らない。
連載原稿の打ち合わせは何だかんだまったりだが、新企画の持込はなんともむずがゆい。

で、読み終わる。
担当「ええと、この主人公キライです。」
hide「は、はい」
担当「でも企画としてはアリなので、主人公を変えて連載会議にかけましょう。」
hide「えっ」

連載や単行本等の実績があると他所でも漫画賞等を経ずに連載会議まで話を持って行けるのはありがたい。
が、逆に言えば賞に出して云々というステップはもはや望んでも(多分)望めず、報酬が発生するか否かは企画が通るか通らないかの二択であり、その点シビアである。

担当「うちの場合月刊のモーニング・ツーと週刊のモーニングがありますけど、どちらにしましょう?」
hide「描くのが遅いのでモーツーで…」
担当「あ、でもモーツーは女性の読者が半分なんですけど、この話は下品だから女性には受けませんね。モーニングにしましょう。」
hide「えっ?モーニングって週刊ですよね?」
担当「週刊です。」

ついに来た、週間連載である。
漫画家として大成したきゃ週間連載すべしと、2年前にこの担当さんに言われた。
まだその当時はデビューすらしていないぺーぺーでありそれは努力目標な所もあったが、今はそれを実際に具体化する時期である。

担当「「東京昆虫ムスメ」の作画はどのくらいのスピードでしたか?」
hide「一人で普通にやって1日2ページ、急いで3ページですね(鼻を鳴らす)」
担当「超遅いですね。週刊は1話20ページなのでそれではネーム1日他全て作画でも間に合いませんね。」

ぐぬぬ…
まぁなので週間連載は当然作画スタッフも雇っている。
その方法もおいおい考えないといけないのだが、実はこの世界作画が早い人は結構居て、ネームが早い人はむしろ少ない(らしい)。
そこで作画とネームを分ける方法でも考える。

担当「hideさんはネームは早い方ですよね?」
hide「30ページ読切くらいで構図の書き入れが無ければ1,2日で行けます(鼻を鳴らす)」
担当「じゃぁ2日で40~50ページお願いします。」
hide「40~50!?
担当「2話目は20ページなので1日で出来ますよね?お待ちしています」
hide「ヒ、ヒェエエエ(椅子から転げ落ちる)」

である。
元々私はネームスピードは大して早くなく、脱サラして一番初めに描いた漫画(こちら)はネームだけで半年くらいかけている。
が、この編集さんが担当になったことで無理やり週1ペースでネームを仕上げるよう叩き込まれたので、今がある。
しかし更なるスピードアップを要求するとは…相変わらず鬼であった。

それに比べスペリオールの担当さんは実に優しい。
せいぜい1日に24ページのネームを課して来たり、苦労して作画したのを「絵が下手だから全ページ描き直しね」と言うくらいである。
…あれ?

ちなみに40~50ページというのはガチガチにページ数が決められている週刊誌だと結構冒険な気もする、が…
最近は連載第1話のためし読みで単行本を買われるか否かが顕著な為、連載第1話に出来るだけその作品の全てを詰め込む形が流行っているらしい。
そういえば講談社の漫画賞はページ数無制限が多かった…気がする。

というわけでこれから3日間ガーっと描いていく。
なかなか大変そうだ。
でもまぁこのペースで出来るようにならないと漫画家として食っていけないって事なんでしょうなぁ。

僭越ながら

 歌舞伎の世界は殺しと濡れ場と切腹だと言われているのです。
 お客さんがお金を払って見たいものは、殺しと濡れ場と切腹なんです。
 売れる為に、殺しと濡れ場と切腹を描くのも一つの手段だと思います。
[ 2016/11/29 16:12 ] [ 編集 ]

必勝パターンによるスピードアップ

成功した漫画家さんだとその人の「必勝パターン」があったりします
ジョジョの荒木先生だと敵がどっからともなくやってきて、すごいシチュエーションが悪化して・・・最後は主人公がオラオラでぶっとばすとか

ネームでも作画でもその作家さんの「必勝パターン」があります
「この作家はいつもこれだよね」(良い意味で)というパターン

超忙しい週刊連載では必勝パターンがあった方がウジウジ悩む時間がなくて済む
hide先生も過去作をみれば自分の得意パターンがみえてくるのではないでしょうか?

作画に関しては最低限はずせないキャラだけ(主要なコマだけ)全ページかいてみて
あとは余った時間で背景を描く

この手法でつくられた悟空vsフリーザのバトルでは背景がまっ白なページがあるという・・・ね(笑)
ドラゴンボールは集中線で背景をゴマかしてるページも多いですが、時間が足りないときは「原稿落とすよりは背景を削る」という究極の結論なのでしょう
ちなみに鳥山明先生は当時(アシスタントが1人、ベタぬりに週1でくるだけで)ほとんど背景まで一人で書ききっていたと単行本の中でコメントしてます

背景までシンプルな線(半分手抜き)でかいて「一人で書き上げる」という手法は参考になるのではないでしょうか?シンプルな背景のお手本をみるというのも大切な勉強になると思います
(また時間があるときに)
[ 2016/12/02 22:32 ] [ 編集 ]

ヒェエエ~に笑いましたw
でもホントそうですよね、自分で漫画描いてると週刊連載作家がどれだけ化物じみてるかよく分かるんですよね
楽しいとかつまらないとか吟味したり、上手いとか下手とか気にしてる暇すら無い
そんな中で面白い作品を描ける人はもう、成るべくして成ったんだなって気がします
とはいえ、続き物の20pで2、3日悩む人も多いはずなので、
一から構築する連載前提の話を2日で40p~はプロでも普通にキツめな作業の気はしますね
[ 2016/12/05 10:11 ] [ 編集 ]

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[ 2016/12/05 21:33 ] [ 編集 ]

Re: お久しぶりです。

>みかん箱さん

お久しぶりです。
お問い合わせいただいた件ですが、こちらではそのような事は行っておりませんよ。
[ 2016/12/05 21:35 ] [ 編集 ]

ヒェー

お久しぶりです。
漫画家のリアルな
創作ペースを聞いて驚きました(笑)
やはり生産力が第一なんですね><

持ち込む出版社が増えて忙しいとは思いますが
お身体に気をつけて頑張ってください(^^)
[ 2016/12/06 04:41 ] [ 編集 ]

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