「静さまは初恋である、浪漫斯(ロマンス)はまだない。」1巻発売中です!

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となりのヤングジャンプで連載している、「静さまは初恋である、浪漫斯(ロマンス)はまだない。」1巻が発売しております。
「夜明け後の静」の続編ですが、移籍に伴い内容も一新。
テーマは日本で初めての恋愛話。

恋愛と言う概念は古くからありそうなものだが、実は無かった。
源氏物語などにしても求められていたのは地位に名誉に金。竹取物語にしてもそうである。
男女がごく普通に心を通わせる果てにあるのは、近松門左衛門の作品に代表されるように、心中しかなかった。
男女が添い遂げる目的は飽くまで労働力や生産力の確保、あるいは家名の存続にすぎなかった。明治時代までは。
恋愛と言う概念が初めて受け入れられるようになったのは、実は明治時代に入ってからだったりする。
初めての概念に戸惑いながらも前に進む、そんな初々しい男女を描いています。

何卒よしなに。
[ 2037/07/25 02:14 ] お知らせ | TB(0) | CM(0)

キャラがゴネる

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今連載している「静」は大人の事情的な何かで恋愛方面にシフトしているが、「静」と言う主人公が中々にゴネている。
こちらからYOU恋愛しちゃいなよと言っているのになんか難しいことをぶつぶつ言っている。
その静は近いうちにある結論を下すのでお待ちあれ。

それにしても静のゴネが作者が考えている以上に強い。
所謂キャラが動く云々ということなのかもしれないが、それを言うとオカルトというか怪しい人というか危ない人というかなのだが、このニュアンスは中々説明し辛い。
単なる自分の構成力不足なのかもしれないし、自分の引き出しの少なさあるいは多さから来る弊害なのかもしれない。

まぁそんな内々な事はどうでもよく、肝心なのは読者に伝わるかどうかで、もっと言えばそもそも読者は残って居るのかという話になる。

漫画はデビューまでは何だかんだ簡単…とは言わないが、倒すべき人間は精々担当さん・編集長+αというところだ。
連載までは縁的なものが必要と思うが、それも大した人数ではない。
ところがいざ連載後となると、倒すべき人間は数十万人の読者になる。これはエライ事である。

このエライ事を成し遂げるための全ての事が、自分にはあまりにも足りなさすぎだ。
日々精進である。精進すれば売れるもんでも無いが、売れている人間は皆精進しているのだ。
[ 2019/10/27 19:11 ] 企画 打ち合わせめし | TB(0) | CM(0)

漫画アシスタントの給料は編集部が払うべきか?

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打ち合わせのたびにごはんを奢っていただいており、その時の飯をアップしていたのだが…
そう言うことをしていたらブログ訪問者が激減してしまった。

まぁ漫画家志望ブログで食べログまがいなことされてもなぁである。
需要と供給、これ大切!それは私の作品にも言えることだが。
というわけでこれからは漫画についての話題を題名に持って行くようにしていきます。

で、打ち合わせと言っても事前にプロットやネームを送ってあるので大半は担当さんとの世間話である。
この時の話題は、

担「何故漫画アシスタントの給料は作家が払って編集部が払わないの?って話題でツイッターがバズってたよ」
hide「ええっ!?

私にとってツイッターは作品告知とブログ更新専門マシーンなのでさっぱり見ないのだが、ちょっと前にそういう話題になってたらしい。
それにしてもそう言う発想があるのかぁ…と正直驚いた。
個人的には商業漫画の連載というのはテナントビルの一角を借りて商売する様なものと思っている。
なので漫画アシスタントの給料を版元が払うというのは、ビルのオーナーがテナントションプの従業員の給料を払うようなもので、そんなのはあり得ない。
ところが世間的には出版社が払うべき!という声がでかいらしい。
世間的なのか一部なのかどうかはわからないが。

そりゃまぁ私のような貧乏作家ならばそうしてくれた方がありがたいが、版元側のコストが増えると言うことは単純に作家に求められる数字が上がるということだ。
この出版不況で更に求められるラインが上がると苦労する作家も多いのではないか。
もちろん私もその一人だ。

とはいえそれも元々は版元の取り分が多すぎる!つまり日本では作家の地位が低いからだ!という声もあるだろう。
実際ハリウッドではクリエイターと版元が100年規模で訴訟合戦した挙句、監督やら脚本家やらが強力な組合を持つにいたった。
あんまりクリエイター側にご無体なことをするとストライキしちゃいますよ、とかハリウッドではまれに良くある。
しかし少なくとも日本の漫画家にはそういうものは無い(と思う)。
日本において漫画家であるということは、売れないやつは死ねと言うエンジョイ&エキサイティングな毎日を送ることを意味する。
まぁ大きな意味で言えばサラリーマンやヤクザも含めて全ての稼業がそうなんだけど。
つまり日本の漫画家は個人なので弱い。だから群れてはどうだ、と言う話だ。
でも群れるくらいなら漫画家なんてやって無い。却下である。

別の考え方としては、漫画家がアシスタントの給料を払うというのは、野球で言えばコーチとかチアガールとかボールボーイとかドアラの給料も選手が払うべしというのと同じ、ということだろうか。
そうなのか?

何が正しいのか自分には良くわからない。
こう言うのは結局黒船に期待するしかないだろう。
例えば韓国や中国あたりの外資系出版社がアシスタント代も版元が負担する、というビジネスモデルで世界の漫画市場を席巻したのなら、日本の漫画業界も動くと思う。
競争原理が働かない限り、組織というものは変わらないもんだ。
なのでそう言うのを期待して待つのもありだが、私としてはそれ以前にとにかく早く売れたいなー、だけである。
[ 2019/09/26 19:41 ] 企画 打ち合わせめし | TB(0) | CM(4)

連載作家感謝の会に参加

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ヤンジャンでは毎年8月末に連載作家感謝の会と言うのがある。
この会では連載50回ごとに作家さんが表彰される。
後単行本4巻以上出して完結された方も。
静さまはどうなるんだろうねぇ…

いつものこの時期は死ぬほど忙しいので私は出席できなかったのだが、今年は色々あって時間がちょっと空いたので出席。

優れた漫画家とはどういうものか?と問うた場合、絵の綺麗さやら話の面白さ、絶対締め切りを守るなど事務処理能力の高さ、スタッフワークの上手さなど色々あるだろう。
が、少なくとも商業漫画をやっている以上、一番わかりやすいのは数字である。即ち単行本の発売部数だ。
好きで漫画を描いているなら、世界中でたった一人に「おもしろいです!」と言われれば、それで報われるだろう。
けれども卑しくも商業漫画家と名乗るならば、最低2万人以上には受けなければ、少なくとも雑誌というテナントで商売をしている身としては、アウトなのだ。
漫画家の価値を単行本の発行部数と書くと妙に生々しいので、仮に戦闘力としておく。
で、私の戦闘力を5とすると、この会には戦闘力53万超えのリアルフリーザ級がゴロゴロいてはる。
もう、ただただ、リスペクトである。

そんなリスペクトとか良い子ちゃんぶってもー!と思う向きもあるかもしれないが、私も週刊連載をするまではそう思っていた。
が、週刊連載と言うものをしてみると、この殺人的スケジュールの中で結果を出すことがどれだけ難しいか骨身にしみる。
会に出席された色々な作家さんに聞いてみた。
「週刊連載、やってみてどうでした?」
「何をやっていたのかよくわからない。覚えてない」

そう、覚えていないのだ。何をやってどのように描いてきたのか、さっぱりおぼえていない。
私なんぞはネームと作画を平行してやってたりしていたが、それほどとにかく忙しい。
だがそれは全ての作家が同じ条件なのだ。
前にも書いたけれど、世の中には色々な仕事があるが、漫画家ほど平等な仕事は珍しいだろう。
複数の作家が、同じ時間を、同じ手間暇かけて漫画を描き、それで人気によって単行本の売上の差は53万倍以上なんてザラだ。
平等と言うのは残酷なのである。

風速100メートルの暴風雨の中でお天気リポートをするようなこの世界で結果を出すには、もう天才にしか無理だ。
私のような凡才がうろついて良い世界では無いのだ。
が、天才が華々しく活躍するのもプロなら、急流の岩にこびりつくコケのように、石にかじりついて離れないのもまたプロであろう。

自分は残念ながら天才ではないので、泥臭く石にかじりついてこれからも生きて行こう。
[ 2019/08/30 22:52 ] 漫画修行 6)次の連載~現在 | TB(0) | CM(2)

打ち合わせめし その4

告知を除くとなんと3ヶ月もブログを更新していなかったので更新。
打ち合わせの度にご飯を奢っていただいているのでそれの続きです。
3か月分の内容を一気に描いているのでかなり長いので、休み休み読むべし。

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新大久保と歌舞伎町の堺にある肉屋にて。
新大久保の肉屋は韓国風大衆焼き肉屋が多い中、この店は珍しく本格志向というか、これまで行った中では最もおいしかった気がする。

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同じ店のシャトーブリアン…だった気がする。
なにしろシャトーブリアンなんて食べるの初めてなので写真を間違ったかもしれない。

打ち合わせと言っても事前にやりとりしていたプロットやネームの確認くらいで、あとは毎回雑談をしている。
場所柄?政治話をしてみたが、私も担当さんもこの手の話題には余り興味が無いので盛り上がらず。
政治話といっても結局番記者の技術とマスコミ各社の論調、そして数字作りの為の仕掛けなどどうしても恣意的になるので、どうも冷めてしまうのだ。
学生時代の友人が今現職議員で活躍しているが、彼と飲んで聞く党の主張とマスコミを通した党の主張は異なるし…

ちなみに政治話は漫画では禁物だ。これは思想云々以前に単純に政治話で面白い漫画を書くのは至難の業だからだ。
政治話をするだけなら「あっちがけしからんこっちが正しい」とか言って終わるが、それを話に落としこむ場合「だから?」という部分まで描かないと面白くならない。
「ムダヅモ無き改革」は天才にしか描けないのである。

今描いている「静さまは~」には西郷隆盛が出てくる。
歴史的には征韓論という、明治初期における最大の政争に敗れた西郷が下野して数年の話なので、まぁこれも政治話と言えばそうなのだ。
だがそれではつまらないなぁということで現在のようなキャラになったのであった。詳細は単行本を読もう!

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次の打ち合わせは寿司屋。
私のリクエストで新規開拓していただいたのだが、まぁ普通の寿司屋であった。
それにしても大して数字も出していないのに偉そうである。

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次の打ち合わせは国分寺駅の駅ビルの焼き肉屋。
ちょくちょく利用しており中々おいしい。
それにしても焼き肉尽くしである。
「バクマン」では打ち合わせの度に主人公たちが肉を食っていたが、あれはリアルだったのだ。
人気投票システムもわりとリアルで、一読者として読んでいた頃は「へええ」と言う感想だったが、今改めて読むと色々身悶える。

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で、直近の打ち合わせは高島屋の料理街にあるとんかつ屋。
この日はネームについて話し合う。
今描いている漫画には「茅」と言う少女がいるのだが、その少女が今回ハッスルする。
久々の自信作だと思って出してみたのだが、予定調和でつまらんと言うことで更に一歩前に進ませる方向に。
どうも自分的に自信作なものは大抵ケチョンケチョンだったりする。
とはいえネームの打ち合わせと言うのは一種バトルのようなもので、「これでどうだ!」「だめー」「じゃぁこれでどうだ!」「だめー」を繰り返すもの。
今回の打ち合わせでどうキャラが動くか楽しみでもある。
私は19歳くらいの時にビッグコミックスピリッツで担当さんが付き、生まれて初めてネームの打ち合わせと言うのをやってみた。
その時は「言われた通りに描きましたが何か?」だったが、それを1年くらい繰り返すもデビューすら出来なかった。
今にして思えばバトル成分が足りなかったのだろう。

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同じくとんかつ屋でのデカイ海老。
ちなみに担当さんはこの日インド帰りらしく、ヤンジャンの売れっ子作家さんと一緒に行って来た模様。
作家と編集者の距離が近いのが集英社の特徴かもしれない。

「JOJO」第三部は世界中を旅しているが、あれも実際荒木先生と編集者さんが実際世界中に旅に出た経験を元にしている、らしい。
「GANTZ」の奥先生も編集さんにヨーロッパなど色々連れて行かれたという。

hide「じゃぁワイも!」
担「数字出せばね

先は長い!
[ 2019/08/10 10:42 ] 企画 打ち合わせめし | TB(0) | CM(0)